リファクタリングとは?
AI時代の「AIフレンドリー」改善術を図とコードで解説!

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イントロダクション:リファクタリングを一言で言うと? 🔧

リファクタリングとは、 「コードの外から見た動作(仕様・結果)は変えずに、内部の構造だけを良くすること」 です。

AIで爆速実装したのに、修正を頼むたびにコードの意図がズレて、気づけば“読めない・直せない”状態…そんな経験ありませんか?

変数名は毎回ブレる、同じ処理がコピペで増える、責務が混ざって「どこを直せばいいか」分からない——AI時代はこの“崩れ”が一気に進みます。

従来の価値は、人間が読みやすく、変更しやすくすることでした。 AI時代の今はそれに加えて、AIに意図と前提を誤解されにくく渡すことが重要になります。

リファクタリングは、人間とAIの共通言語を整える作業でもあります。 「ちょっと読みにくい」「この辺がモヤっとする」と感じたコードを、 少しずつキレイに整えていく日常的な改善活動です。

この記事では、その“崩れ”を止めるための判断軸と手順を、図とコードで整理します。

なおリファクタリングやらないことは明確です。 外部仕様は変えない、つまり動作を保ったまま内部を整えるのが前提です。

1. リファクタリングとは?意味とメリット(なぜ学ぶ必要があるの?)

実務のコードは、一度書いて終わりではなく、 何度も仕様変更や機能追加が入るのが普通 です。

そのたびに場当たり的に書き足していると、コードが次のような状態になっていきます。

  • 同じような処理のコピペが増える
    ちょっとした仕様変更でも、あちこちのコピペを全部直さないといけない。
  • 1つの関数・クラスがなんでも屋になる
    条件分岐だらけで、「どこを直せばいいのか」が分かりづらくなる。
  • 変更が怖くなる
    動いてはいるけど、触ると壊れそうで誰も手を入れたがらない“ブラックボックス”が生まれる。

リファクタリングは、こうした 「技術的負債」 を少しずつ返済し、 「変更しやすい状態」を保ち続けるための基本テクニック です。 長く生きるシステムほど、リファクタリングの有無で差がつきます。

2. AI時代にリファクタリングがさらに重要になる理由

AIはコードを高速に読んで提案できますが、意図の読み違いは普通に起こります。 そのため実務では「動くコード」だけでなく、意図が伝わる構造が成果を左右します。

補足:意図がズレると、AIの提案がもっともらしいけど違う方向に進み、レビューやデバッグの手戻りコストが一気に増えるためです。

  • AIはコードを読めても、文脈の意図を取り違える
    曖昧な名前や暗黙ルールが多いと、もっともらしいがズレた差分を返しやすくなります。
  • 巨大関数・密結合は提案精度を下げる
    入力/出力/副作用の境界が曖昧だと、修正範囲が膨らみ、意図しない変更が混ざりやすくなります。
  • 命名と分割が良いほど、補完・修正・テスト生成が安定する
    責務が明確なコードは、AIにも人間にも「どこをどう直すか」が伝わりやすくなります。

3. 「書き直し」「作り直し」とどう違うの?

似た言葉として「リライト」「全面改修」「作り直し」などがありますが、 リファクタリングはそこから目的が少し違う ことを押さえておきましょう。

  • リファクタリング
    外から見た動作・仕様は変えずに、コードの構造・名前・分割の仕方を改善する。 テストが通っていれば成功、とみなせる種類の変更。
  • 仕様変更・機能追加
    ユーザーから見た動きや画面が変わる。 要件定義の変更に対応するための、新しい振る舞いを足す・変える変更。
  • 全面的な作り直し
    アーキテクチャや技術選定ごと変えるような大きな変更。 動作も構造も大きく変わることが多い。

リファクタリング「仕様変更のついで」 ではなく、 それ自体が独立した作業(振る舞いは変えない、構造だけ改善する) として扱えると、 変更の影響範囲を考えやすくなり、失敗もしにくくなります。

4. どんなとき・どう進める?(安全に小さく進めるコツ) 🧪

リファクタリングは、 いきなり大規模にやろうとしない のがポイントです。 現場では次のような流れで、小さく安全に進めることが多いです。

  • 1. テスト(動作確認手段)を用意する
    自動テストが理想ですが、最低限「この操作をするとこう動く」といったチェック手順を決めておく。 リファクタリング後も同じ動作になるかを確かめるための「物差し」です。
  • 2. 気になる“におい”を見つける
    長すぎる関数・重複したコード・意味の分かりにくい名前など、 違和感のある箇所をピンポイントで選ぶ(コードの「悪いにおい」を嗅ぎ分けるイメージ)。
  • 3. 小さなステップで書き換える
    関数を1つに分割する、名前を変える、重複を1か所にまとめる…など、 一歩ごとにテストを回せるサイズ で変更する。
  • 4. こまめにコミットする
    テストが通った小さな変更ごとにコミットしておくことで、 いつでも戻せる安全ネットを確保する。

このサイクルを 機能追加やバグ修正の前後に少しずつ挟んでいく習慣 ができると、 時間をかけずに、でも着実にコードベースが整っていきます。

5. 図解:プログラミングにおける「リファクタリング」

リファクタリングは、外から見た振る舞いを変えずに、 コードの内部構造を改善することです。読みやすさ・変更しやすさを高め、 バグを埋め込まないよう小さなステップで行います。

リファクタリングを理解する 3 つの視点

1. ゴール:振る舞いはそのまま、構造だけをきれいに

ユーザーから見た動きは変えずに、 「変更に弱いコード」から「変更に強いコード」へと作り替えるのが目的です。

Before:変更に弱いコード
  • 関数・クラスが長く、あちこちで同じ処理
  • UI と業務ルールがごちゃ混ぜ
  • 変数名・関数名から意図が読み取りづらい
After:変更に強いコード
  • 短く、役割ごとに分解された関数・クラス
  • ドメインの用語で名前がそろっている
  • UI / インフラとドメインの責務が分離

2. サイクル:小さなステップ+テストの繰り返し

リファクタリングいきなり大改造しないのが鉄則です。 テスト(自動テスト or 手動確認)を安全網にして、細かい変更を積み重ねます。

テストを整える
現状の振る舞いを固定
小さく書き換える
1〜2 手の変更に限定
テストを回して確認
通ったらコミット

この 3 ステップを何度もぐるぐる回しながら、少しずつ構造を整えていきます。

3. 対象:どこをどう整えるか

リファクタリングは「きれいにする」ではなく、 狙いを決めてコードの形を変える作業です。代表的な的(まと)は次の 3 つです。

名前を整える
  • 関数・変数・クラス名を意図が伝わる言葉に
  • 意味の重複やあいまいな略語をなくす
構造を整理する
  • 長い関数を分割(メソッド抽出など)
  • 重複ロジックを共通化
責務の境界を引き直す
  • UI とドメインの処理を分ける
  • クラス・モジュールの責務を 1 つに寄せる
より高度な設計については、こちらの『疎結合のコツ』も併せてご覧ください
リファクタリングは、バグ修正や新機能追加とは別に、 「今ある振る舞いを守りながら、あとから変えやすい形に整える」ための作業です。 テストを安全網に、小さな変更を積み重ねて、ドメインが見えやすいコードに近づけていきます。

6. 「AIに意図を伝える」ための命名と分割

同じ「データ取得 → 計算 → 表示の整形」を題材に、 曖昧で長い処理から 責務が分かる命名と分割へ寄せる例を見ます。 1関数1責務、入力/出力/副作用の境界を明確にすると、AI提案の精度も上がります。

Before:曖昧なまとまりのまま「取得・計算・表示」を詰め込んだコード

クリックイベントの中に、データ取得合計計算フォーマット描画がすべて押し込まれています。 動きは分かりやすい反面、仕様変更やテストには弱い形です。


// 今日の売上合計を表示するボタン
document.getElementById('show-today-sales').addEventListener('click', function () {

	const resultEl = document.getElementById('today-sales-result');
	resultEl.textContent = '読み込み中...';

	// API から全売上一覧を取得
	fetch('/api/sales')
		.then(function (res) {
			if (!res.ok) {
				throw new Error('API error');
			}
			return res.json();
		})
		.then(function (data) {

			// 今日の日付文字列を作成(YYYY-MM-DD)
			const now = new Date();
			const yyyy = now.getFullYear();
			const mm = ('0' + (now.getMonth() + 1)).slice(-2);
			const dd = ('0' + now.getDate()).slice(-2);
			const todayStr = yyyy + '-' + mm + '-' + dd;

			// 今日の売上だけに絞って合計
			let total = 0;
			for (let i = 0; i < data.length; i++) {
				const row = data[i];
				if (row.date === todayStr) {
					total += row.amount;
				}
			}

			// 金額フォーマットをその場で実装
			const formatted = total
				.toString()
				.replace(/\B(?=(\d{3})+(?!\d))/g, ',');

			// 結果の HTML をここで直接組み立て
			if (total === 0) {
				resultEl.innerHTML = '<p>本日の売上はありません。</p>';
			} else {
				resultEl.innerHTML =
					'<p>本日の売上合計:<strong>' +
					formatted +
					'</strong> 円</p>';
			}
		})
		.catch(function (err) {
			console.error(err);
			resultEl.innerHTML =
				'<p class="error">売上の取得に失敗しました。</p>';
		});
});
			

イベントハンドラの中にすべての処理が詰め込まれているため、 「対象期間を変える」「表示形式を変える」といった変更のたびに この長い関数を直接いじる必要があります。

AI視点: AIが意図を推測しづらく、ズレた修正提案や副作用の混入が起きやすい状態です。

After:命名改善と関数分割で責務を明確にしたコード

同じ「今日の売上合計を表示する」機能ですが、 日付計算集計ロジック描画処理を それぞれ独立した関数に切り出しています。 結果として、テスト・再利用・仕様変更がしやすい形になります。


// ---- ドメイン寄りの小さな関数群 --------------------------

function formatDateYYYYMMDD(date) {
	const yyyy = date.getFullYear();
	const mm = ('0' + (date.getMonth() + 1)).slice(-2);
	const dd = ('0' + date.getDate()).slice(-2);
	return `${yyyy}-${mm}-${dd}`;
}

function formatCurrencyJPY(amount) {
	return amount
		.toString()
		.replace(/\B(?=(\d{3})+(?!\d))/g, ',');
}

/**
 * 売上配列から、指定した日付の合計金額を計算する
 * @param {Array<{date: string, amount: number}>} sales
 * @param {string} targetDate YYYY-MM-DD
 */
function calculateTotalSalesForDate(sales, targetDate) {
	return sales
		.filter((row) => row.date === targetDate)
		.reduce((sum, row) => sum + row.amount, 0);
}

/**
 * API から全売上一覧を取得する
 * @returns {Promise<Array<{date: string, amount: number}>>}
 */
function fetchAllSales() {
	return fetch('/api/sales').then((res) => {
		if (!res.ok) {
			throw new Error('API error');
		}
		return res.json();
	});
}

/**
 * 計算結果を DOM に描画する
 * @param {HTMLElement} container
 * @param {number} total
 */
function renderTodaySales(container, total) {
	if (total === 0) {
		container.innerHTML = '<p>本日の売上はありません。</p>';
		return;
	}
	const formatted = formatCurrencyJPY(total);
	container.innerHTML =
		'<p>本日の売上合計:<strong>' +
		formatted +
		'</strong> 円</p>';
}

// ---- UI 側:イベントハンドラは「流れ」を組み立てるだけ --------

document.getElementById('show-today-sales').addEventListener('click', function () {
	const resultEl = document.getElementById('today-sales-result');
	resultEl.textContent = '読み込み中...';

	const todayStr = formatDateYYYYMMDD(new Date());

	fetchAllSales()
		.then((sales) => {
			const total = calculateTotalSalesForDate(sales, todayStr);
			renderTodaySales(resultEl, total);
		})
		.catch((err) => {
			console.error(err);
			resultEl.innerHTML =
				'<p class="error">売上の取得に失敗しました。</p>';
		});
});
			

イベントハンドラは「読み込み中表示 → データ取得 → 集計 → 描画」という 処理の流れだけを表現し、 個々のロジックは専用の関数に追い出されています。 「対象日付を変える」「期間合計にする」「グラフ表示にする」といった変更も、 関数単位で見通しよく修正できます。

AI視点: 責務が明確なため、狙い通りの差分提案・局所修正・テスト生成が安定しやすくなります。 また、このリファクタリング済みのコードをAIに渡す際、例えば、

  • 『この関数は〇〇の責務に特化しているので、ロジックだけ修正して』
  • 『calculateTotalSalesForDate のロジックだけ修正して。I/Oは触らないで。』
より高度な設計については、こちらの『疎結合のコツ』も併せてご覧ください

7. 「宣言的なコード」へのシフト(手続き型JS → HTML/htmx)

状態管理とDOM操作が混ざった手続き型JSは、変更時に壊れやすく、AI提案も不安定になりがちです。 一方で宣言的な書き方は「何をしたいか」が見えるため、保守と改善が進めやすくなります。

Before:クリック → fetch → DOM更新をJSで都度実装


document.getElementById('reload-profile').addEventListener('click', async () => {
	const res = await fetch('/profile/summary');
	const html = await res.text();
	document.getElementById('profile-summary').innerHTML = html;
});
			

目的は単純でも、イベント登録・通信・描画更新の手続きを毎回書く必要があります。

After:意図をHTML属性で宣言(htmx)


<button
	hx-get="/profile/summary"
	hx-target="#profile-summary"
	hx-swap="innerHTML">
	プロフィール更新
</button>

<div id="profile-summary"></div>
			

「どこから取得し、どこへ反映するか」がタグ上で読めるため、実装意図が伝わりやすくなります。

AI視点: 目的が属性として明示されるため、修正提案のブレが小さく、差分が安定しやすい形です。

htmxを使った具体的なリファクタリング例はこちら:htmx逆引きレシピ

8. 「AIにテストを書かせる」ための境界線(ロジックとI/O)

AIはテストコード生成が得意ですが、I/OやDOM依存が強いと不安定になります。 先にロジックを純粋関数として分離し、I/O層は薄く保つと、テストの品質が上がります。

ロジックを分離した最小例


// 純粋関数: 入力→出力だけを扱う
function calculateSubtotal(items) {
	return items.reduce((sum, item) => sum + item.price * item.qty, 0);
}

// I/O層: 取得や描画はここで扱う
async function showSubtotal() {
	const items = await fetchCartItems();
	const subtotal = calculateSubtotal(items);
	renderSubtotal(subtotal);
}
			

// テスト例(入力→出力)
expect(calculateSubtotal([
	{ price: 1000, qty: 2 },
	{ price: 500, qty: 1 }
])).toBe(2500);
			

純粋関数が中心だと、AIは期待値ベースのテストを作りやすく、失敗時の原因切り分けも速くなります。

よくある質問(FAQ)

Q. リファクタリングは「仕様変更」や「機能追加」と何が違う?

A. リファクタリングは、外から見た動作(仕様・結果)を変えずに、内部構造だけを改善します。仕様変更・機能追加はユーザーから見た振る舞い自体が変わる作業なので、目的と成功条件が別物です。

Q. 「書き直し(リライト)」「作り直し」とはどう違う?

A. リファクタリングは“動作を保ったまま整える”改善です。書き直し・作り直しは設計や実装方針の入れ替えを含みやすく、影響範囲も大きくなりがちです。

Q. いつリファクタリングするのが一番安全?

A. おすすめは「変更の直前」です。機能追加や修正に入る前に、まず“触る場所だけ”を小さく整えると、手戻りやバグ混入を減らせます。

Q. テストがなくてもリファクタリングできる?

A. できます。ただし“同じ動作を保てた”と判断する物差しが必要です。自動テストが理想ですが、まずは手動の確認手順(観点・手順・期待結果)を先に作ってから小さく直すのが安全です。

Q. AIにリファクタリングを頼むときのコツは?

A. 「入出力(仕様)は変えない」「責務を1つにする」「命名はこの方針」など制約を先に固定するのがコツです。命名変更とロジック変更を混ぜず、差分が小さい単位で依頼すると精度が上がります。

Q. どのくらいの粒度で進めるべき?(コミット単位)

A. 目安は「1コミット=1種類の改善」です(例:命名だけ、関数抽出だけ、重複排除だけ)。粒度を小さくするとレビューもしやすく、AIに追加修正を頼むときも前提が崩れにくくなります。

まとめ:AI時代のリファクタリングを成功させる要点

  • リファクタリングは、動作を変えずに構造を整え、AIの提案を安全に取り込むための土台です。
  • 命名・責務分割・境界整理を先に行うほど、AIの生成コードは読みやすく検証しやすくなります。
  • 宣言的な表現や純粋関数化を進めると、テスト生成と差分レビューの品質が上がります。

要するに、リファクタリングは人間とAIの共同開発を前提に、変更コストを下げる実務スキルです。

おまけ:AI時代のリファクタリング・チェックリスト

  • 名前で意図が読めるドメイン用語を使う、否定形を避ける、責務が分かる)。
  • 1関数1責務で、引数・戻り値・副作用の範囲が明確になっている。
  • 依存(I/O、DB、DOM)とロジックが分離され、テストしやすい境界がある。
  • 宣言的に表現できる部分は、HTML/設定/属性側に寄せる(例: htmx属性)。
  • AIに依頼する前に、前提・制約・期待する出力をコメントやREADMEで明文化する。
  • リファクタリングでは外部仕様を変えないことを守り、小さい差分ごとに確認する。

このページの著者

もちもちみかん(システムエンジニア)

社内SEとしてグループ企業向けの業務アプリを要件定義〜運用まで一気通貫で担当しています。

経験:Webアプリ/業務システム

得意:PHP・JavaScript・MySQL・CSS

個人実績:フォーム生成基盤クイズ学習プラットフォーム

詳しいプロフィールはこちら!  もちもちみかんのプロフィール

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